アランチューリングってすごいね。

なんでこの人のことを今まで知らなかったんだろう。

 

映画『イミテーションゲーム』を見たあとに率直にそう思った。

イミテーションゲームは、イギリスの天才数学者アラン・チューリングが世界大戦のときにドイツの暗号エニグマを解き、イギリスの勝利を導いたというストーリーになっている。

 

この作品には、?点の観点があるように思われる。

まず、コンピュータの原点となる考えを生み出したアラン・チューリングという人物の伝記になっているという見方もできる。

 

次に、実はアラン・チューリングは同性愛者で戦争後イギリスで性差別を受けてしまう。強制的に化学物質によって治療されるのだ。これは昨今話題になっているLGBTを社会が認めないことは社会的問題であるという風刺のようにも感じられる。

 

そして、最後の見方は、戦争の裏側で活躍した人たちへの脚光の場という見方だ。

アラン・チューリングは2013年にエリザベス女王から特別に表彰されている。しかし彼の功績は、生前はけっして認められなかった。

彼がいなければ、イギリスは戦争によってあと2年は苦しむことになり、さらにはコンピュータの発展も遅れていたのかもしれないのにだ。

 

もちろん、戦争中に彼がドイツ軍の暗号を解いたことを公開することはむずかしかっただろう。

ただ、彼の人生を顧みたときに、彼は多くのイギリス人を救い、世界の発展に寄与したのに、そのことを周囲の人は誰も知らず、彼のことを単なるホモセクシュアルな変人と見なしていたのだ。ホモセクシュアルであることが原因で、差別され犯罪者扱いされるだけで不当だ。

 

生前ではその功績をほんの一部の人にしか知られず、戦争の秘密を一人で守り、そして最後は自殺したアラン・チューリングをぼくは尊敬するし、彼を失ったことは人類にとって大きな損害だったと思う。

そして、彼だけでなく多くのスパイ(今もいるのかもしれないが)の心情を考えると胸が苦しくなる。

やっぱり、戦争って人を不幸にするだけなのではないか。戦争に限らず、企業間でも争い事も含めて、争いがなくなればいいのになー